アロエについてアロエについて

南伊豆のアロエ

南伊豆で栽培されているアロエは、キダチアロエという品種です。 寒さに弱いキダチアロエは温室栽培などもされていますが、霜が降りにくく温暖な南伊豆では露地栽培をおこなっております。各農家では農薬を使わず、海草などを肥料とし、海の恵みと太陽の恵みをたっぷりと注ぎ、皆様に安心して提供できるキダチアロエ栽培に取り組んでおります。

南伊豆のアロエ
館内のアロエの種類
キダチアロエ
1キダチアロエ

南アフリカ原産の多年性多肉植物で、葉は剣状の形をしており、長きが45~60cmになります。白っぽい緑色をしていて表面が少しくぽみ、縁には鋭いとげが生えています。 南伊豆では、11月~12月に赤い色の花を穂状につけます。

キダチアロエ
2アロエベラ

日本薬局方にはアロエの有効成分として、アロイン(バルバロイン)とアロエエモジンが書かれています。アロインはアロエの主成分として、またアロエエモジンは、アロインが空気酸化したもので、この二つがアロエのにがみの主成分として消化器や内臓などの働きを活発にし、胃腸の調子を整える健胃剤として認められています。
アロエチンにはにがみはほとんどなく、主に細菌などを殺し繁殖を抑えるという役割をもっており、細菌の毒素を中和するという作用もあります。アロミチンは、癌などのウイルスの活動を抑えるという効果があります。アロエウルシンは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などに効果があります。これらの有効成分は、熱や酸、アルカリなどにも強く、分子がとても小さいので浸透力にすぐれているのが特徴です。

アロエベラ
南伊豆のアロエと役の行者の伝説

役の行者(隠名 阿摩陀之摩綺)

1. 役の行者の生立ち
役の行者は天智天皇の六年に大和国葛木上郡茅原村に生まれ、頭の上に小さな角が生えていたので役の小角と呼ばれ神童と称された。この小角が成長して葛木山に入り、外従五位の韓国連広足を師と仰ぎ、山伏と仏法の修業して奥義を極め孔雀の呪術を習得し天晴一代の智者と召された。のちに韓国連広足は小角の超人間的な妖術をおそれて、妖術で人を惑わし葛木の一言主大神と結んで天皇を傾けようとしたと懺悔され伊豆に配流された。

2. 役の行者之当地に残る業績
病名不詳なるも西暦七百年慶雲三年に疫病流行して百姓多く死すと在るから見て石室(石廊崎)の里も御多聞にもれず、其の襲来を受けたものと思われ、二期数年天候悪く大荒れに荒狂い、舟も出す事も不可能にして、併せて礒の海苔・貝類も不漁が続き狭き耕地の作物は寒害・旱魃・暴風と立て続けての天災に全滅し里人は餓えと不安に苦しみ、又病気蔓延し、其の為自呆自捨と成り心迄も荒廃し喧嘩・口論絶えず、此の時、阿摩陀之窪にて施行中在りし行者は、此れを憂い石室権現を始萬の神霊に祈りを捧げ神佛の加護を身を滅ぼして願い続けた。或る夜大慈の霊(十一面観世音)夢に立ち一枚の薬草を行者に授けた。行者は、此れこそ御佛の御教えであると早急山野を走り回りその薬草を探し出し病人にあたえると忽ち病気平癒した。此の一葉こそ今以て不思議なる効力を持つ薬草として伝え使用されて居るアロエであり別名を医者不要と呼ばれている。